そんな中、2000年6月、神奈川県座間市で、飲酒・無免許･無車検の暴走車によって大学に入学したばかりの一人息子を奪われた遺族が、悪質ドライバーに対する量刑が余りにも軽すぎること、今の日本の法律に命の重みが反映されていないことに憤りを覚え、法改正を求める署名運動を始められました。

私は当時新聞でその記事を読んで、全く同じ思いを同じ時期に抱いている人がいると知り、その遺族の方に手紙を出しました。なにかにすがる思いでした。すぐにお手紙が返って来て、「一緒に頑張りましょう」と。トンネルの中に光が見えました。

その署名運動は大きなうねりとなり、2001年10月に法務大臣へ最後の署名簿を提出した時には、合計で37万4,339名の署名が集まったとのこと。

世論に後押しされ、2001年11月には刑法改正法案が国会を通過し、ついに｢危険運転致死傷罪｣が刑法に新設されました。

この法律が出来たのは逆境を力にした遺族の大きな力でした。

私の恩人がモデルの映画。田中好子さんのの遺作にもなっています。